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ゲームアプリのローカライズ対応

はじめに

個人的な話になりますが、数々のゲーム開発の現場に参画し、いろいろな経験をさせていただきました。

近年では、ゲーム開発の大規模化と共に、「翻訳言語数の増加」「ローカリゼーションの質的向上」「世界同時発売」などの要望が高まっています。そのためにはオリジナル版の開発チーム、国内外パブリッシャーのローカライズ担当者、ローカライズベンダー、ゲーム翻訳者など、企業間の枠を越えた、さまざまな立場の人間が、力をあわせることが必要です。しかし今日では、さまざまな理由から、さまざまな問題が発生し、理想的なローカリゼーション環境の構築が難しい状態です。

そこで、ローカリゼーションを巡る問題をまとめることで、「よく起こる問題がなぜ起こるか」を明らかにし、今後のプロジェクトフローやコミュニケーションを向上させるヒントを探りまとめようと思います。

ゲームアプリのローカライズ対応とは

ゲームアプリのローカライズ対応とは、アプリを地域や言語に適応することです。これには、文字や言語、日付や通貨、そしてアプリのインターフェイスローカライズする必要があります。

ローカライズには、翻訳という視点から、文字や文化の違いを考慮して対応する必要があります。例えば、日本語の場合は、文字の左から右への読み順を考慮し、インターフェイスも日本語向けに調整する必要があります。

また、ローカライズには、地域や言語によって文化の違いを考慮し、アイコンや画像などのグラフィックも調整する必要があります。

ローカライズは、アプリを世界中の人々に提供するために必要な作業であり、開発者は、アプリをローカライズするタスクを計画・実行・テストする必要があります。

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問題・課題・注意するべき項目について

アプリケーションをローカライズするときには、どんなところを注意しているのでしょうか。

もちろんアプリユーザーは英語を理解できる人ばかりではありません。そして、多くの人は英語が読めたとしても母国語でアプリが利用できることを望みます。デジタルコミュニケーションでは英語が公用語のようになっているとは言え、アプリを利用するときには楽な方が好まれます。アプリのローカライズがダウンロード数の増加につながるのは確実と言えそうです。

このように重要さが増しているアプリのローカライズですが、実作業はどのような点に注意して行われているのでしょうか。

実作業で注意している点について

ゲームアプリのローカライズ対応において注意すべき点は次のようになります。

  • 文字数の問題: 日本語は英語などに比べると文字数が多いため、画面の配置や表示を調整する必要がある。
  • 文化の違い: 文化の違いによって、アイコンや画像などの表現に違いが生じるため、ローカライズする国や地域の特徴を把握して適切な表現を使用する。
  • 言語バリアント: 言語バリアントがあるため、対応する言語バリアントに応じて表現を変更する。
  • テスト: ローカライズしたアプリを、対象言語でのユーザーによって検証し、問題点を洗い出す。
  • 翻訳: 翻訳をプロの翻訳者に依頼し、正確な翻訳をする。

文字数の問題

ゲームアプリのローカライズ対応において、文字数の問題は重要な注意点のひとつです。ローカライズによって、文字数が増加することがあります。特に、フランス語やドイツ語などの表示文字が多い言語に変換する場合、文字数が約2倍になることがあります。

そのため、アプリ開発者は、ローカライズ前に文字数を調整し、必要な領域を確保することが重要です。また、ローカライズ後に文字数が増加し、画面に収まらない場合は、フォントサイズやレイアウトを調整することで対応することができます。

文化の違い

ゲームアプリのローカライズ対応において、文化の違いは重要な要素の1つです。例えば、アメリカと日本では文化や価値観が異なるため、アメリカ向けのゲームアプリをそのまま日本に移植するだけでは、日本のユーザーには非常に馴染みが薄い可能性があります。それに対して、日本向けのゲームアプリをアメリカに移植する場合も同様で、アメリカのユーザーには馴染みが薄い可能性があります。このように、文化の違いを考慮して、ゲームアプリをローカライズしなければならないことが重要です。ローカライズには、文字や画像の変更だけでなく、ゲームのシナリオやゲームプレイの指示なども含め、全体的なゲーム体験を考慮して変更する必要があります。

言語バリアント

ローカライズにおいて、言語バリアントは非常に重要な要素です。異なる地域や国では、同じ単語やフレーズが異なる意味を持つことがあります。そのため、ローカライズにおいては、それぞれの地域や国の文化や言語の特徴を考慮し、適切な翻訳を行うことが重要です。また、異なる地域や国では文化の違いもあります。例えば、イラストやアイコンにおいては、異なる地域や国では違ったシンボルやイメージが使われることがあります。これらの文化の違いも考慮して、適切なローカライズを行うことが重要です。

テスト

ゲームアプリのローカライズ対応をする際には、テストが重要です。ローカライズ対応したアプリを、ターゲット言語圏のユーザーが使用する環境でテストすることで、文字化けや表示上の問題などを発見し、修正することができます。また、文化の違いや言語バリアントによっては、ゲームのルールや操作方法が異なる場合もあるため、それらを確認し、適切な対応を行うことが重要です。さらに、インターフェイスのレイアウトやアイコンの表示など、デザインに関する点もチェックすることが必要です。テストは、開発の一環として、常に行うべきことです。

翻訳

翻訳は、アプリのインターフェイスやゲームのストーリー、ヘルプなどを、ターゲット言語に翻訳することです。翻訳は、アプリがグローバルに配信される際には必須のタスクの一つです。

翻訳には、機械翻訳と人間の翻訳の2つの方法があります。機械翻訳は、使用するソフトウェアによって精度が異なりますが、手軽ですし、コストも安いです。しかし、翻訳が不完全だったり、意味が違う場合もありますので、人間の翻訳に比べると精度は低いです。

一方、人間の翻訳は、翻訳者が文脈や文化を理解して翻訳するため、精度が高く、アプリを使用するユーザーにとっても使いやすいものになります。しかし、コストは高く、納期も長くなります。

翻訳を行う際は、翻訳の質、コスト、納期などを考慮し、適切な方法を選択することが重要です。

まとめ

ローカライズ対応を行うためには、文字数の問題、文化の違い、言語バリアントなどを考慮しながら、ゲームのコンセプトやデザインの設計、スマートコントラクトの開発、翻訳、テストなどをタスク化して行うことが重要です。また、注意点としては、文字数の問題や文化の違いによって、ゲームバランスなどが影響を受ける可能性があることや、翻訳によって文脈が変わってしまう場合もあることなどがあります。それらを適切に対応することで、ゲームを成功させることができます。